コラム

北条氏綱の訓戒状

北条氏綱は北条早雲の子。
初代の早雲から引き継ぎ、北条家の基盤を固めた人です。
一般的には早雲や氏康の方が有名かと思います。

北条氏綱は五箇条から成る訓戒状を氏康に遺しました。

一、義を重んじること
二、人には捨てるような者はいないので、家臣・領民を慈しむこと
三、驕らず、へつらわず、己の分限を守ること
四、倹約を重んじること
五、勝ちが続くと驕りが生じるので注意すること

遺言書とは違うのですが、
領国経営には人材が大事であること
驕り高ぶらないこと。
贅沢をしないことなど、戒めを説いています。

何かを相続させようというよりも、
「こうしないと滅んでしまいますよ」
と息子に言い聞かせているように感じます。

戦国時代は、
いつ何がどうなるかわかりません。
だからこそ、
モノを相続させるよりも、生き方を相続させたい。
そんな氏綱の思いを感じます。