借地と底地って何?
借地と底地って何だかご存じでしょうか?
借地というのは、大きくわけると2つあります。
1つは、建物を借りる目的で土地を借りている場合。
これは建物所有者が借地権者で、土地所有者が底地権者ということになります。ふつうは借地契約書を交わします。
2つめは土地建物が同じ所有者だったけど、何らかの理由で土地と建物の所有者が別々になったも場合です。
これを法定地上権と言います。こちらは契約書を交わさないでそのような関係になったということです。
でも、ほとんどは1だと思います。
借地割合というのが、路線価図に出ています。
30%対70%とか、40%対60%とか、地域や場所によって異なります。
相続や更新時期をきっかけに、借地を売りたい、底地を売りたい、ということがあります。
借地を買いたい、底地を買いたいという場合もあるのですが、売りたいという相手のニーズが無い場合はなかなか成立しません。
しかし、変な話です。もともとの地主にしてみれば、100%の所有権を持っていたのに、貸したばっかりに自分の土地の価値がなぜか30%とか40%になってるのです。面白いはずがありませんね。地代をもらってもそんなに儲からないという場合が多いようです。
理論上は借地権者と底地権者が同時に同一買主に売却すれば、所有権になるのです。
でも、まとまったという話はほとんど聞きません。
利害関係の調整が難しいのでしょう。
もしも、底地権者が「売りたい」という打診があったなら、買える買えないはともかくとして、真剣に検討することをお勧めします。
なぜなら、その次はもう滅多に売るという機会はない可能性が高いからです。
借地権にはメリットもあります。相続の場合、実際に家として使える面積は所有権と同じなのに、評価額が安くて済みます。
デメリットとしては、朽廃したら借地権がなくなります。そして、更新時の名義変更料や建替え承諾料が結構かかること、そして20-30年経過してるので物価も変わっています。交渉が決裂すれば、自分の子や孫に迷惑をかけることになりかねません。なので、まとまらないにしても、けんか別れになるような交渉は避けたいですね。
中には定期借地権といって、年数が来たら更地にして返すか建物を買い取ってもらうという借地契約もあります。これらが得かどうかは歴史的なデータが少ないので、判断は難しいです。このような理由で不動産に詳しくない方は所有権の方が不安は少ないでしょう。