コラム

認知症になると法定後見制度がありますが・・・

認知症になると人はどうなるのでしょうか?
単なる物忘れのレベルではありません。
自分が誰なのか?
朝ご飯を食べたのか?
息子や孫の顔もわからない。

言っては悪いですが、生きているけれども一人では社会生活が送ることが困難な状況になったということです。

こうなってしまうと、本人、配偶者、4親等以内の親族、市区町村長の誰かが家庭裁判所に成年後見を申し立てて、後見開始の審判を得るしかありません。

これは認知症になった人の財産を守るためなのです。また、本人が不利な契約をしても法定後見を理由に取消すことが出来るようになるです。

しかしながら、法定後見人に指名されるのは、今まで全く知らない他人の弁護士や司法書士、行政書士なのです。本人の身を守るためとはいえ、親族は全く蚊帳の外。商売をしている親が認知症になった場合は様々な問題が発生します。

例えば、事業上の保証人に自らがなっている場合、保証人が認知症になってしまうと事業の継続が問題になります。

自分名義の建物を自分の会社に科している場合、
株の所有権の多くを本人が持っていて役員交代が容易に出来ない場合、
土地が本人で、建物が会社名義で建築計画していたら金融機関から止められた。

そこで、「認知症になる前に特定の人を指名して、自分が認知症になった時に裁判所に申し立てて任意後見人になってもらう」
という任意後見契約という制度があるのです。これは、親族や友人、知り合いの弁護士や司法書士、行政書士などと契約をすることができるのです。裁判所が判定するのですが、任意後見契約の受任者の70%~80%を任意後見人と認めています。

この制度は、もっと広く知られた方がいいのではないでしょうか。