コラム

遺言書がないとどうなるの?

遺言書がないとどうなるの?

一つのイメージで考えてみましょう。
たとえば、70代の父親が亡くなって、妻と40代の子供が二人いたとします。
葬儀、49日が終わった後。
3人でどうするか話し合うことでしょう。

母親は実家に一人暮らし。
遺産は自宅3000万と預金が1500万だった場合。
合計は4500万になります。
法定相続分で分けると、妻が1/2、子供が1/4づつになります。
でも、この通りにすると、4500万円を半分にしたら家を売って遺産を分けなければなりません。
母親はまだ10年くらい元気でしょうから、自宅を売るわけにはいきません。
かといって、家は母親、現金は子供で二等分では、母親が年金だけでは生活していけません。

話し合いでどうするか決めなければならなくなります。配偶者居住権や短期配偶者居住権を設定するのか?それとも家はそのままで1500万円を3人でわけるのか?
このような話し合いを、悲しみにある中で進めるのは、なかなか大変ではないでしょうか?特に、母親が高齢者であれば不安で仕方がないと思います。

子供世帯も住宅ローンや進学費用があるので、親の遺産があるには越したことがないと思う人が少なくないでしょう。なので金額の大小に関係なく、相続というのは揉める可能性があります。これは、不動産や行政書士の実務を通じた経験として感じるところです。

相続人の遺留分を侵さない公正証書遺言があれば、、裁判になっても負ける可能性はほぼありません。
(他の生前贈与などの要素があれば別です)
公正証書遺言を残すことで、残された家族を守ることができるのです。

裁判費用や親族間の感情的な対立と比べて、遺言書作成費用は決して高くありません。
弁護士は争いになった時に活躍します。
行政書士は争いにならないよう、予防法務として活躍します。