コラム

認知症になる前に

家族が認知症になってしまうといろいろなことが出来なくなってしまいます。
認知症になっても生活費の購入などは出来るのですが、
大きなお金を使うことが難しくなってしまいます。
一番わかりやすいのが不動産の売買です。
不動産を売って介護施設に入ろうとしても家族が勝手に売ることができません。
裁判所に申し立てて成年後見人を決めてもらう必要があるのです。
と同時に成年後見監督人も必要になります。
これらは裁判所に対する手続きなので行政書士は出来ません。
司法書士や弁護士の仕事になるのです。

行政書士ができることとして認知症になる前であれば、遺言書作成。任意後見契約ができます。
任意後見契約とは、簡単に言えば、自分が認知症になった時に指定した人が、
指定した人を後見人にするように裁判所に申し立てる。これをあらかじめ決めておく契約のことです。

最終的には裁判所が判断するので100%指定した人がなれるわけではありません。
でも指定した人がたとえば息子とか、知っている行政書士の方が安心できると思うのです。
認知症になってからだと本人がわけが分からないのですから、誰に後見人になってもらいたいかが
裁判所もわからなくなってしまうのです。

行政書士の役割の一つは予防法務です。
問題が起こる前に備えるものです。
若くても認知症になる人もいます。
任意後見契約はまだまだ多くの人に知られていませんが、
高齢化が進めが進むほど身近な問題になってくるのではないでしょうか。